糖原病は先天的代謝異常によって組織にグリコーゲンが蓄積する疾患です.と言っても原因遺伝子がたくさんあってたくさんパターンがあってそれぞれに人名の疾患名がついていてと医学生にとってはまさに暗記地獄な疾患なので簡単に整理しまとめておきます.
まず糖原病には3パターンあります.
- 肝型
- 全身型
- 筋型
肝臓のグリコーゲン代謝は血糖維持に不可欠なので肝型では低血糖を呈します.また肝臓のグリコーゲン沈着のため肝腫大・腹部膨満を呈します.筋型では筋肉でのグリコーゲン分解が不可能なのでATP合成ができずすぐに疲れてしまいます.従って運動中の脱力・筋力低下・易疲労感など筋肉の症状が見られます.全身型はこの2つを併せ持つというイメージです.
次に上記3パターンの代表例を覚えます.
- 肝型 1型
- 全身型 2型
- 筋型 5型
1型はG6Pase欠損で肝型に共通の低血糖を呈す他血液中の尿酸と乳酸が増え人形様願望・鼻出血・低身長が見られます.G6Pase欠損のためG6Pが過剰となりペントースリン酸経路を経由して尿酸がピルビン酸を経由して乳酸が蓄積します.ただし知能は正常です.
2型はα-1,4-グルコシダーゼ欠損で全身の細胞でリソソーム内にグリコーゲンが蓄積します.欠損する程度が高い順に乳児型・小児型・成人型の3つのタイプに別れ症状もこの順番で軽くなります.
5型は筋ホスホリラーゼ欠損で名前通り筋型となります.上述の筋型の症状が見られる他激しい運動後に筋線維崩壊のためミオグロビン尿と血清CK値上昇が見られます.
ちなみに7型は筋型で残りの3,4,6型は肝型です.3,4,6型は軽い肝型だと理解します.また7型は軽い筋型だと理解します.
ただし7型は日本の垂井先生が発見されたそうなので試験に出されやすい気がするため詳しく覚えておきます.7型はホスホフルクトキナーゼ(PFKase)欠損で筋型です.赤血球のPFKaseが欠損するため溶血を呈します.
最後に8型がXRで他はARであることを覚えます.
これぐらい覚えれば十分な気がします.ゴロ合わせは
柿とイチゴ足したら2つたるいなぁ
稚拙なゴロですが
柿→かき→かん型・きん型
イチゴ→1型,5型
足したら→肝型と筋型を合わせた全身型
2つ→2型
たるい→垂井病
なぁ→7型
柿とイチゴを持っていて合わせて2つだった.これだけでおやつが終わりなのは嫌だなぁ.というストーリーですがちょっと無理がありますね.
症状ですが3パターンの原因を考えればだいたい覚えられるかと思います.
参考:病気がみえるとSTEPのの代謝内分泌