みーの医学

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MIBIシンチとMIBGシンチ

MIBIシンチとMIBGシンチという似て非なるシンチグラフィーがあることに気づいたので.違いをまとめてみました.

MIBI

MIBIは,Methoxy-Isobutyl-Isonitrileの略で,99mTcを標識したMIBIは,静脈注射後に冠動脈血流によって受動拡散で心筋細胞に取り込まれ,冠血流量に比例した分布状態となる.従って心筋血流シンチグラフィが撮影できる.これをSPECTで撮影する. *1

また,MIBIは副甲状腺にも取り込まれるため,副甲状腺シンチグラフィとして原発性副甲状腺機能亢進症などの診断にも用いられる. *2

MIBG

MIBGは,metaiodobenzylguanidineの略で,123Iを標識したMIBGは,ノルアドレナリンに類似した構造で,心筋の交感神経末梢に取り込まれる.従って心臓交感神経イメージングが撮影できる.Parkinson病やLewy小体型認知症では心筋への集積欠損が見られる.*3

甲状腺シンチグラフィは123Iや99mTcO4が用いられる.これとは別に,甲状腺髄様癌はMIBG摂取能を有する特異な腫瘍であるため,131I-MIBGを甲状腺腫瘍放射線治療として使うことも可能である.*4

ややこしい.

*1:Circulation Journal Vol. 69, Suppl. IV, 2005 Link

*2:内分泌甲状腺外会誌 29 (3) 176-182, 2012 Link

*3:画像診断コンパクトナビ

*4:日本癌治療学会 甲状腺腫瘍診断ガイドライン コラム16 甲状腺髄様癌に対する放射線治療(外照射およびⅠ-131 MIBG 内用療法)の現状は? Link