みーの医学

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アレルギー検査のまとめ (パッチテスト, プリックテスト...)

アレルギーの原因物質の同定(アレルゲン同定)のために行うアレルギー検査をまとめ..おおまかに,皮膚テスト,粘膜反応,血清学的検査,ヒスタミン遊離試験,貼付試験,リンパ球刺激試験などがある.それぞれの検査は簡便さ・感度・特異度が異なるので,状況に応じて選択する.診断に最も有用なのは誘発試験であるが,リスクを伴うので注意する.

皮膚反応

抗原物質の再投与による誘発試験である.Ⅰ型アレルギーの診断に有用である.

皮内テスト

ツベルクリン針を用いて抗原液を皮内注射し.15分で判定する.

スクラッチテスト

注射針先で皮膚を擦り傷をつけた後,抗原液1滴を滴下する.

プリックテスト

抗原液を滴下して,その部の皮膚を注射針で浅く刺し傷をつける.

侵襲が多いほど感度が上がるため,感度は皮内テスト>スクラッチテスト>プリックテストである.皮内テストは時に発疹・喘息誘発やアナフィラキシーを誘発することがあるので注意する.

総IgE値

RAST(radioallergosorbent test)

血清を用いて試験管内IgE抗体測定法を行う.アレルゲンとIgE抗体を反応させ,125I標識,酵素または蛍光色素標識により特異的IgEを検出する.

ヒスタミン遊離試験(HRT)

末梢血中の好塩基球表面に結合したIgE抗体をアレルゲンと反応させることで架橋させ,細胞活性化に伴い遊離するヒスタミンを測定するもの.HRTは RASTに比較して特異度が高いが,感度は劣る.

パッチテスト(貼付試験)

接触皮膚炎において,遅発型の接触アレルギー(4型アレルギー)の有無を調べる.陽性率が低く,偽陰性が高い.貼付パッチにアレルゲンを1滴のせ,48時間密封貼付する.判定は48時間後にパッチをはがしてから,1時間後と24時間後に行う.

リンパ球刺激試験(LST)

原因物質を患者リンパ球に加えて刺激し,リンパ球による3H-チミジンの取り込みを測定することにより,リンパ球の増殖反応を評価する.4型アレルギーにおける原因抗原の証明として用いられる.