みーの医学

医学生の「みー」が,医学に関してまとめています. 2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.

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病院実習(BSL)のレポートの書き方 まとめ

病院実習では,受け持った症例に関してレポート課題を作成することが多々あります.自分用のメモも兼ねて,病院実習のレポートの書き方をまとめます.

書式

レポートの形式は指導医から指定があればそれに準拠すればいいのですが,とくに指定がない場合は,「日本内科学会」の書式[template]を参考にします.以下の書式が一般的です.

患者ID, 年齢, 性別, 入院日, 退院日 【診断名】, 【主訴】, 【現病歴】, 【既往歴】, 【生活歴】, 【家族歴】, 【入院時現症】, 【検査所見】, 【Problem List】, 【入院後経過】, 【退院時処方】, 【考察】, 【まとめ】

それぞれの項目を説明します.

患者ID, 年齢, 性別

個人情報の保護の観点から,ここは省略します.特に患者ID と氏名は漏洩するとまずいので,空欄かイニシャルにします.年齢は「50歳代」などとし,具体的な記載は避けます.性別は男女を記載します.

入院日, 退院日

病院実習では入院している患者さんの担当になることがほとんどなので,入院日は書けるはずです.嬉しいことに,担当期間中に患者さんが元気に退院した場合は,退院日も書きます.

【診断名】

診断名はICD10(国際疾病分類第10版)の項目を参考に記載します.

http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/

例えば多発性骨髄腫で,病的骨折を伴っている場合は,

  1. ベンスジョーンズ型多発性骨髄腫
  2. 腰椎圧迫骨折

などと記載します.

【主訴】

主訴は,患者さんが医療機関を受診した理由です.例えば多発性骨髄腫の患者さんが腰痛に困って受診した場合は「腰痛」と記載します.つまり主訴は必ずSOAPのSになります.具体的な例として,全身倦怠感,息切れ,右手の痺れ,めまい,などです.

ただし,最近は自覚症状がないうちに健康診断によって疾患が見つかることも多いです.例えば,肺癌が健康診断で見つかったけれども自覚症状がない場合,主訴をどう書くかは人によります.自覚症状がないので「なし」とすることが多いと思います.「なし(肺癌手術目的)」と有益な情報を括弧で付加する人もいます.中には「肺癌」と診断名を書く人もいますが,主訴ではないでしょう.

【現病歴】

現病歴は患者さんの初発症状から入院までの経過を書きます.以下のように書きます.

xxxx年x月にxxxx病院でxxxxx検査で異常を認め,近医でxxxxxを処方されたが改善を認めなかった.xxxx年x月に当院当科を受診し,xxxx年x月にxxxxx術施行目的にて当科入院となった.

症例によっては特徴な所見があったり,既に治療を受けていることもあるので,適宜付け足します.

日付は必ず西暦で書きます.「5年前」などと相対的な表記をしてはいけません.相対表記では,あとで見返すといつのことなのかが分からなくなるからです.乳幼児の場合は西暦に括弧で年齢を併記すると,イメージしやすい文章になります.

便利な表現

  • xxxx検査にて異常を指摘され,
  • 近医にてxxxを処方されるも改善を認めず,
  • xxxx目的で当科入院となった.
  • xxxxで加療するもコントロール不良で,
  • xxx検査を施行した.
  • xxxx無効と判断し中止した.

【既往歴】

西暦(年齢)と疾患名を箇条書きします.手術を受けた場合は術式も併記します.

2000年 (26 歳) 痔瘻に対して手術.

現在慢性疾患(脂質異常症など)に罹患している場合も既往歴に記載することが多いですが,「既往歴」と「併存症」を区別する先生もいます.

2012年 脂質異常症.アトルバスタチン服用中.

【生活歴】

以下のように適宜まとめます.

飲酒: ビール2缶/week.2012年より禁酒.

喫煙: 10-15 本/day を 20 歳から 40 歳まで.現在は吸わない.

運動: ほとんどしない.

食事: 外食がほとんど.

職業,生活状況(一人暮らしetc.),アレルギー,輸血歴も必要に応じて併記します.

【家族歴】

血縁者に同様の症状の人がいるか,同じ疾患の人がいるかを記載し,家系図を書きます.なにも無ければ「特記すべきことなし」とします.

家系図は,以下の原則に従います.

同じ世代の人を横に並べる. 同じ世代の人は,年齢が高い人を左に,より若い人を右に並べる. 男性は正方形,女性は円. 死亡した人には斜線を入れる. 遺伝性疾患に罹患している人は黒く塗りつぶす. 死亡した原因疾患と死亡年齢が分かる場合は併記する. 細かい規則は以下のサイトにまとまっています.

遺伝スクリーニング: 遺伝医学の一般原則: メルクマニュアル18版 日本語版

【入院時現症】

入院して初めて取った身体所見を書きます.以下のよう書きますが,疾患によってポイントとなる所見を漏らさず記載するのが重要です.

身長 xxx cm, 体重 xx kg, BMI xx.x, 意識鮮明, 血圧 xxx/xx mmHg, 体温 xx.x °C, 脈拍 xx/min., SpO2 xxx% (room air)

眼瞼結膜貧血なし, 眼球結膜黄染色なし, 頚静脈怒脹なし, 頸部雑音なし, 甲 状腺腫大なし.

心音整, 心雑音を聴取せず. 呼吸音清, 副雑音聴取せず.

腹部平坦・軟, 自発痛・圧痛・反跳痛なし, 腸音正常.

下腿浮腫なし、四肢冷感なし.

入院時とはいうものの,担当期間の最初の日に自分でとった身体所見を記載してほしいという先生が多いです.当たり前ですが,指導医が電子カルテに記載した文章をそのままコピペするのは良くないです.

【検査所見】

入院してから実施した検査の結果を記載します.

  • 血液検査
  • 胸部レントゲン
  • 心電図
  • エコー
  • CT など,必要な結果をまとめます.

血液検査の結果をレポートに記載するのは面倒です.電子カルテからコピペしただけでは項目名が変だったり単位がついてなかったりするので,自分で単位を入力しないといけないからです.これを自動化するWebサービスを作ったので紹介します.

Top | ClinicalDx (医療従事者のためのツール)

このツールを使うと,電子カルテからコピーしたデータを以下のようなレポート用のフォーマットに変換してくれます.とても便利です.

WBC 5460 /μL , RBC 455 ×104/μL , Hb 13.6 g/dL , Ht 20.6 % , MCV 104.0 fL , MCH 30.7 pg , MCHC 32.7 % , Na 142.0 mEq/L , K 3.8 mEq/L , Cl 115.0 mEq/L , AST 62 U/L , ALT 87 U/L , γ-GTP 212 U/L , ALP 721 U/L , LD 344 U/L , CK 32 U/L , TC 160 mg/dL , TG171 mg/dL  

//執筆中

【Problem List】

【入院後経過】

【退院時処方】

【考察】

【まとめ】