副甲状腺機能低下症は副甲状腺からPTH分泌が不足する疾患です.
ただPTH分泌が正常なのに同様の症状を呈することがあり「偽性副甲状腺機能低下症」 といいます.副甲状腺機能低下症と思わせておいて実はというやつです. 偽性副甲状腺機能低下症ではPTH受容体の異常がありPTHが正常に分泌されているのにうまく働くことができないという状態です.\
さらにPTH分泌が正常でPTH受容体も正常なのに同様の症状を呈することがあり「偽性偽性副甲状腺機能低下症」といいます.偽性副甲状腺機能低下症と思わせておいて実はというやつです. 偽性偽性副甲状腺機能低下症ではPTH受容体の下流にあるGs蛋白のαサブユニットをコードするGNAS遺伝子に異常がありPTH分泌が正常で PTH受容体も正常なのにシグナル伝達がうまくいかないという状態です.
なんとさらにPTH分泌が正常でPTH受容体も正常でGNAS遺伝子も正常なのに同様の症状を呈することがあり「偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症」といいます.偽性偽性副甲状腺機能低下症と思わせておいて実はというやつです. 偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症ではPTH受容体の下流のGs蛋白のさらに下流にあるアデニル酸シクラーゼをコードする遺伝子に異常がありPTH分泌が正常で PTH受容体も正常でαサブユニットも正常なのにシグナル伝達がうまくいかないという状態です.
びっくりすることにPTH分泌が正常でPTH受容体も正常でGNAS遺伝子も正常でアデニル酸シクラーゼも正常なのに同様の症状を呈することがあり「偽性偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症」といいます. 偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症と思わせておいて実はというやつです. (以下略)
このように「ある疾患にそっくりだけど原因がちょっと違うよね~」というノリで「偽性」という接頭辞をつけていくとよく分からない名前になっていくのでこういう命名はやめて欲しいなあという愚痴でした.
だからといって 「偽性x3副甲状腺機能低下症」などという名前は嫌ですね.偽性副甲状腺機能低下症なら「受容体不全性副甲状腺機能低下症」と呼べば疾患の原因もわかりやすいですよね.
(注)偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症と偽性偽性偽性偽性副甲状腺機能低下症は偽りですが偽性偽性副甲状腺機能低下症は偽りではありません.