母子手帳についての授業を聞いて興味が湧いたので母子手帳の歴史を調べてまとめてみました.
母子手帳の歴史の詳細は以下にまとまっているのでここではみーの意見をおりまぜながら母子手帳の歴史について語ってみます.
http://www.kenkobunka.jp/kenbun/kb26/morita26.pdf
第二次世界大戦前日本は戦争に勝つべく「富国強兵」政策を広く行いその一環として妊娠中の妊婦を管理し死産を減らそうということになった.そのために妊娠した女性に「妊産婦手帳」を交付することになった.
戦争に突入し食料や物資が配給制になると妊婦は次世代の戦力である子供を産むのだから彼女らへの配給量を増やすべきだということになり妊産婦手帳を持っていると配給量が増える制度が誕生した.これを「加配」という.今の価値観からすると首を傾げるところもあるがそういう時代なので仕方がない.
配給が増えるという素晴らしい”付加価値”がついた妊産婦手帳は爆発的に普及した.
敗戦後母子衛生課の初代課長である瀬木三雄博士は「妊産婦手帳は妊婦と赤ちゃんの健康管理に役立つはずだ!」という考えのもと妊産婦手帳に健康チェックや予防接種管理の項目などを追加し「母子健康手帳」に改良した.
母子手帳は現在日本では広く普及し母子双方の健康の一元管理に利用されている.これはとても素晴らしいシステムである.いくら優秀な医者や助産師・看護師が妊娠に立ち会ったところで医療提供者の足並みが揃わないと医療の一貫性がなく完璧なサポートをするのは難しいからだ.
母子手帳は日本では当たり前のものだが海外では珍しい.日本の母子手帳を参考に母子の一元管理システムを導入しようとしているプロジェクトが幾つかあるそうだ.
http://www.hands.or.jp/mchtokyo08/mch_list.html
当たり前にある母子手帳だがみー達の健康に大きく貢献してくれているようである.母子手帳とその作成・普及に携わったすべての人に感謝である.
それにしても戦争のために死産を減らすべく母子の健康管理に作られた手帳が時代と共に改善され現在の日本の母子の健康をサポートするものとして広く使われているのはとても面白い.
画像:http://www.vill.doshi.lg.jp/info/info.php?if_id=16&ca_id=5