多発性骨髄腫の症状はCRABと覚える,というのが有名です.
- C (Calcium elevation)
- R (Renal insufficiency)
- A (Anemia)
- B (Bone disease)
高Ca血症,腎機能障害,貧血,骨病変,の4つの頭文字です.しかし,こういった症状が出てからではQOLが低下するという点と,ボルテゾミブなど最近の治療薬の進化によって治療成績が向上しているという点から,より早期の多発性骨髄腫も治療を行うべきであるという考え方が広がってきています*1.
新しい覚え方は,SLIM CRAB (細いカニ)です.
- S (>60% Plasmacytosis)
- Li (Light chains I/U >100)
- M (MRI 1 or more focal lesion)
- C (Calcium elevation)
- R (Renal insufficiency)
- A (Anemia)
- B (Bone disease)
例えば,free light chainの比が100以上という検査結果ならば,CRAB症状がなくても治療適応になるわけです.
治療適応がどんどん広がっていますね.
*1:Lancet Oncol. 2014 Nov;15(12):e538-48. doi: 10.1016/S1470-2045(14)70442-5. Epub 2014 Oct 26. http://dx.doi.org/10.1016/S1470-2045(14)70442-5