みーが高校生のころは古文と日本史なんて何の訳にもたたないだろうと言い訳をしてあまり勉強しなかったのですが実際に医学部に入って古文と日本史を勉強しておいてよかったー(^^ゞと思うことがありました.
日本は万葉集など古い史料がたくさんありなんと1000年以上も以前に書かれた文章を読むことができます.当然医療に関しても史料があるわけで昔の人も病気には苦労していたんやな〜.と感動できるわけです.
特におすすめなのが「病草子」です.以下みーが気に入っているシーンとその解説です.e国宝へのリンクをはったのでリンク先で画像が見れます.1000年近く前(病草子は12世紀の史料)の病気の話が現代に残っているのは奇跡ですよ.あとインターネット上で国宝が観覧できるサイト「e国宝」にも感動しました.
日本史を勉強しておいてよかったーと思うのは病草子が書かれた平安時代の時代背景がある程度分かるので絵を見てもふむふむと納得できることが多いからです.
[陰虱(つびじらみ)をうつされた男]
一夜不純な交わりを結んだ男が翌朝陰部がかゆくてたまらない.そういえばひげも眉も睫までもかゆい.着物をまくってよくよく見据えれば小さな虫が肌にくいいいっているではないか.男は剃刀を取り出して大事な毛を剃りはじめた.当の女は背後でにんまりと笑っている.*2
ケジラミをうつされた男が描かれています.昔からxxxなことが行われていたのですね^^; みー的にはこの時代にはもう普通の人の家に剃刀があったことに驚きました.
[白内障の男]
大和国にとある豪族がいた.使用人の1人が目が見えないという.ある日門前に男が現れた.聞けば目医者だという.神仏の助けとばかり主人はすぐさまよびいれて診察をさせた.
男は「鍼をすればじきに治りますよ」というと早速とりかかった.小紋高麗縁の畳を敷いた部屋で脇息に寄りかかり顔を差し出す折烏帽子の男が患者.医者が鍼を刺した右目からは血が吹き出している.この家の下仕えの女が角盥を捧げてそれを受けている.
後ろの部屋に控えて治療の様子を見守る立膝の男がこの家の主人だろう.
この眼病がどういうものかよくわからない.だがたぶん白内障ではなかったか.しかしこのやぶ医者にかかってはたまらない.悲しいことに男は以前にもまして見えなくなりしかも右目をつぶしてしまったという.*4
白内障はやっぱり昔からあったんですね.使用人で目が見えないのは大変だったと思います.でも「眼に鍼治療をする」という発想が素晴らしくやぶ医者な感じですね.思わず笑ってしまいましたが昔の一般の人の知識だとこのやぶ医者も見抜けなかったでしょうね.
それにしても血がしたたる角盥を捧げている下仕えの女の表情がなんとも言えないです.唖然としているようで笑みを浮べているような微妙な表情ですね.きっと「こうやって治療するのか〜」と感心しながらも内心恐ろしいのでしょう.
こんな治療を麻酔なしでやっていると考えると身の毛がよだつ恐ろしさです.
まあ現代語訳を読めば古文を勉強する必要はないのでは?とツッコまれたらそれまでですが.もちろんみーは現代語訳を読んでいますよ.
*1:http://www.emuseum.jp/detail/100995/003?word=&d_lang=ja&s_lang=&class=&title=&c_e=®ion=&era=&cptype=&owner=&pos=1#=1&mode=simple¢ury=
*2:コンパクト版日本の絵巻7より
*3:http://www.emuseum.jp/detail/100995/008/001?word=&d_lang=ja&s_lang=&class=&title=&c_e=®ion=&era=&cptype=&owner=&pos=1#=1&mode=simple¢ury=
*4:コンパクト版日本の絵巻7より