みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

インドネシア旅行に必要なワクチン接種

夏休みにインドネシアに旅行に行く予定なので必要なワクチン接種をしました

渡航外来を専門でやっている「梅田トラベルクリニック」で相談をしてきました.

http://www.umedatc.com/

いい感じの先生でいろいろと情報を聞くことができました.とてもきれいな病院でおすすめの病院です.

インドネシアに行く場合絶対に必要な予防接種はA型肝炎(HAV)腸チフス(Typhoid)もできればやっておいたほうがいいそうです.みーは腸チフスには絶対に罹りたくないですね.教科書で読む限り死ぬほど大変そうなので.

インドネシアで感染する可能性がある感染症は他に狂犬病と破傷風だそうで狂犬病はワクチン接種をあらかじめしておけばブースター効果によって感染した時の治療が楽になるので可能ならやっておいたほうがいいそうです.ワクチン接種をしていないと感染時に5回のワクチンが必要ですがワクチン接種をしていれば2,3回で治療が完了します.ただ狂犬病のワクチンは高価なうえ最低3回接種する必要があるのが難点です.狂犬病は犬などの哺乳動物に噛まれたりなどして感染するため噛まれないように注意するのがとても大事で安易に動物に近寄らないようにしましょう.噛まれた場合は少しの傷でも病院に行き狂犬病の治療を受ける必要があります.潜伏期間は大人で1ヶ月でその間に狂犬病ウイルスに対する抗体ができればほぼ治るそうですが放置しているとほぼ死亡してしまう恐ろしい病気です.安易に動物に近寄らないようにするのがとても大切だそうです.したがって狂犬病ワクチンは大人なら希望する場合のみ接種でよく子供の場合は旅行前にワクチン接種をしておくのが望ましいということでした.

破傷風は土壌にいらっしゃるウイルスで錆びた鉄釘を足で踏んだり土いじりをしていて手の傷に土が付着したりして感染します. 日本では子供の時に三種混合(DTP)をほとんどの人が受けているので基本的な免疫は持っているはずで10歳頃の追加接種をしていればまず大丈夫だろうとのことでした.希望する人には成人用三種混合(T dap)の接種が推奨されているそうです.

以上よりみーはHAVとTyphoidをワクチン接種することにしました.ただHAVワクチンは普通の病院にはなく腸チフスワクチンは国産のワクチンがないというのが現状だそうです.しかし幸いなことに Hepatyrix というオーストリア製造のA型肝炎腸チフス混合ワクチンがあり日本人が初めてインドネシアを旅行する際にピッタリなものが梅田トラベルクリニックで接種可能ということだったので早速Hepatyrixを接種してきました.

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Hepatyrixの箱を貰いました.オーストリア語かな?全く読めませんね(^^ゞ

1.0mLを筋肉注射しました.

海外製なので副作用が強いかな?と少し不安でしたが全くそんなことはなくむしろ1ヶ月前に受けた国産のB型肝炎の方がよっぽどだるかったです.

Hepatyrixを接種するとA型肝炎は1年間腸チフスは2年間有効だそうです.1年後ぐらいに2回めの接種を受けるとA型肝炎は20年以上有効になるそうです.腸チフスは何度接種しても2年間しか有効にならないのでその度に接種する必要があるそうです.

インドネシアに行くためのワクチン接種のために何度も通院しないといかんのだろうと思っていたのですがまさかの1回の通院で完了してしまいとってもお得な気分です.やっぱり餅は餅屋.専門の病院に行くのが便利で楽ですね.

ちなみにお値段は22050円.みーは安いと思いました.

インドネシアに旅行に行く人の参考になれば幸いです.

(追記)  「腸チフスは何度接種しても2年間しか有効にならない」のは何故か?というツッコミをいただいたので追記しておきます.

Typhim Vi-Polisaccharid Vaccineによる抗体持続期間は2~3年と報告されています.同剤は多糖体を抗原とするワクチンですからブースター効果は期待できません.*1

つまり 多糖体だと免疫系に認識されにくいということだそうです.タンパク質だと特有の3次元構造で特異的な抗体ができますが特定の多糖体を特異的に認識するのは生体にとっても難しいことのようです.\