みーの医学

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NTx と単位 mol BCE について

NTx 63 nmol BCE/L

Ⅰ型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTx) の検査結果には,なにやら長くて複雑な単位が記載されています.どういう意味なのでしょうか.

まずは,血清中 I 型コラーゲン架橋N-テロペプチド測定試薬であるオステオマーク NTx 血清の添付文書を確認してみましょう.

本試薬はコラーゲンの代謝産物としてヒト血中に放出されるI型コラーゲン架橋N-テロペプチド (NTx) を ELISA 法により測定する試薬である。 ... 測定結果は骨コラーゲンをハイドロキシプロリンで定量した結果をもとに算出した値で示され、骨コラーゲン相当量 (Bone Collagen Equivalents : BCE) の単位で表示される。すなわち、1モルのI型コラーゲンの分解産物のうち、本試薬に使用しているモノクローナル抗体と結合するNTxの量が1モルBCEとして示される。測定結果は nmol BCE/L として表される。

つまり,NTxを骨コラーゲンで間接的に測定した値であることを示すために, mol に BCE を付記するのだそうです.

NTx について,尿と血清のどちらを測定するかを選択する必要があります.尿を用いる場合は,深夜から早朝にかけて高値,夜にかけて低下するため,日内変動を考慮し検体採取の時刻を揃えないと比較ができなくなることに注意が必要です.また腎機能の影響を受ける場合があります.これに対して,血清中NTxは,日内変動が少なく,腎機能の影響も受けにくいことが知られています.血清を測定した方が,破骨細胞の作用により産生されたNTxを直接反映すると考えられており,実臨床では血清 NTx の方が扱いやすいと思われます.