免疫グロブリンの測定方法として，酵素抗体法 (Enzyme Immunoassay) がよく用いられます．検体中に存在する抗体は，抗原と結合し，さらに酵素標識抗体を反応させることで基質が発色します．この現象を利用して，吸光度から抗体価を計算できます．酵素の濃度を測定するので，IU/L の単位が用いられます．使用する抗原や酵素標識抗体を変更すれば，グロブリンのクラス別の測定が可能であり，とても便利です．
この方法を利用して，アレルギー検査では特異的 IgE を測定することが可能なのですが，測定系によっては， IU/L を用いず，独自の単位 UA/mL や IUA/mL を使用する場合があります *1．
例えば，「イムノキャップ 特異的IgE」の添付文書には下記のような単位の説明が記載されています*2．
各レファレンスは総 IgE を含むため、その抗体価は国際単位(IU/mL) で表記されますが、標準曲線から求めた特異的 IgE 抗体価は(UA/mL) で表記し、両者を区別します。
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UA:自社で設定した単位です。
IgE の分子量は概ね同じなので，1 IU は 2.4 ng の質量に換算できますが，UA/mL や IUA/mL の場合は簡単に換算はできないので注意が必要です．
*1:増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集 免疫学的検査 アレルギー検査 medicina 52巻4号 （2015年4月発行）
