抗がん剤の名前,作用機序,副作用についてまとめてみた.
- アルキル化剤
- 白金配位化合物
代謝拮抗薬
- 葉酸代謝拮抗薬
- シチジン代謝拮抗薬
- プリン代謝拮抗薬
抗癌抗生物質
- アントラサイクリン系抗生物質
トポイソメラーゼ阻害薬
- エトポシド
- カンプトテシン類
有糸分裂阻害薬
- ビンカアルカロイド類
アルキル化剤
DNAをアルキル化することにより抗腫瘍効果を示す.化学兵器として開発されたナイトロジェンマスタードから改良されたものである.
- シクロホスファミド (エンドキサン®)
- メルファラン (アルケラン®)
- ダカルバジン
副作用としてシクロホスファミドの出血性膀胱炎が有名.
プラチナ製剤
DNA鎖間の架橋形成で細胞を障害する.
- シスプラチン
- カルボプラチン
近位尿細管を障害することによる腎障害が有名である.
代謝拮抗薬
核酸の合成・分解時に競合阻害する.副作用として骨髄抑制が有名.
葉酸代謝拮抗薬
- メトトレキサート (メソトレキセート®)
髄液移行し,髄腔注射可能.
シチジン代謝拮抗薬
- シタラビン (キロサイド®)
- ゲムシタビン
- アザシチジン (ビダーザ®)
プリン代謝拮抗薬
- フルダラビン (フルダラ®)
アントラサイクリン
放線菌から発見された抗生物質であり,抗悪性腫瘍薬として用いられる.
DNAと結合し,DNA合成阻害をおこすのが主な作用機序の1つ.
- ダウノルビシン (ダウノマイシン®)
- ドキソルビシン(=アドリアマイシン) アドリアシン®
- イダルビシン (イダマイシン)
副作用は,「アドリアマイシン心筋症」と言われるように,心筋障害がある.総投与量が閾値を超えると発症することから,化学療法での総投与量は重要である.
トポイソメラーゼ阻害薬
DNAとトポイソメラーゼと複合体を形成し,DNA再結合を阻害する.
エトポシド
カンプトテシン類
- イリノテカン
- トポテカン
微小管阻害剤
微小管重合を阻害し,有糸分裂を阻害する.
- ビンクリスチン (オンコビン®)
- ビンブラスチン (エクザール®)
末梢神経では微小管輸送が重要らしく,これが阻害されるために起こる末梢神経障害が有名な副作用である.