みーの医学

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結核の治療薬の副作用 ゴロ合わせ

抗結核薬の副作用は,95A99などで出題されているので,ゴロ合わせで覚えます.

  • イソニアジド: 末梢神経障害(Vit. B6欠乏),肝障害
  • エタンブトール: 球後視神経炎
  • ストレプトマイシン: 聴神経障害
  • リファンピシン: 肝障害,発疹,血小板減少症
  • ピラジナミド: 肝障害,近位尿細管障害

それぞれの名前を略称にし,頭文字から連想します.

INH: N→Neuro, H→Hepato
EB: E→Eye, B→Bulbar(延髄)
SM: S→8, M→耳 (第八脳神経= 聴神経) →平衡障害,聴神経障害
RFP: R→Rash→発疹, F→Failure of Liver, P→Platelate
PZA: P→Proximal renal tubule→近位尿細管, ZA→ZA→kAnZou→肝臓

無理があるのも少しありますが...

それぞれを簡単にまとめてみます.

イソニアジド INH

結核菌の細胞壁を構成するミコール酸というものがあり,これの合成を阻害します.

末梢神経障害が有名ですが,これはビタミンB6の排泄を促進するからです.

エタンブトール EB

作用機序は不明であるが,結核菌のRNA合成を阻害するためと考えられている.

ストレプトマイシン SM

アミノグリコシド系抗生物質であるから,聴神経障害をきたす.腎排泄型なので,当然腎障害もある.

リファンピシン RFP

細菌RNAポリメレースを阻害することでRNAの合成を阻害します.

肝臓で代謝排泄を受けるので,肝臓に障害をきたしやすい.

なお,尿がオレンジ色になる性質がある.

f:id:atsuhiro-me:20151128023844j:plain:w300 *1

ピラジナミド PZA

作用機序は不明.腎排泄型で,近位尿細管障害を来す.このため,高尿酸血症となり痛風となる.

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