神経性食思不振症は,自分の体重や体型に対してゆがんだ認識を持っているために,小食・隠れ食いなどの食行動異常が見られる疾患です.やせを維持するために,嘔吐や下剤を乱用する患者さんもいます.
食べたものを嘔吐するために,自分の手を口の中に入れて嘔吐反射を起こすそうで,患者さんの手には「吐きだこ」という傷ができます.
自分の手にこんな傷がついても嘔吐しようとするわけですね.教科書には経管栄養の後に精神療法や行動療法を行うと書いてありますが,治療は困難みたいです.この写真をみると患者さんの肥満恐怖が相当なものであることが分かるような気がします.
ちなみに,痩せているのに総コレステロールは高値になります.これは末梢でのコレステロール利用が困難になるためです.