臨床検査の結果を見ると,
AST 13 IU/L, ALT 16 IU/L, ALT 12 IU/L, LDH 255 IU/L
のように,IU/L という単位を見かけます.IUではなく,U/L となっている場合もあります.説明の流れで,U (ユニット) から解説します.
U (ユニット) とは?
U (ユニット) とは,酵素活性量の単位です.至適条件で酵素が1分間に 1 μmol (10^-6^ mol) の基質を変換することができる酵素の量が 1 U と定義されています.大まかには,酵素の量を表すのだと理解すれば問題ないです.
量を表すのならば,g (グラム) を用いればよいと思われますが,一般的に酵素の質量を計算するのは非常に難しく,水溶液の場合濃度が非常に薄いことが多いです.酵素の質量を簡単に正確に測定することは難しいわけです.そもそも酵素とは,基質が生成物に変化する化学反応を触媒するものです.酵素の量に対して基質の量が十分にある場合,基質の変化量は酵素の量に比例します[理由].基質の量の変化を測定することで,間接的に酵素の量を測定しようという発想で,U (ユニット) という単位は誕生しました.
つまり,質量を測定するのが難しい少量の酵素の量を表す単位がU (ユニット) というわけです.