世の中には,「健康食品」「サプリメント」などいろいろな名称で,体によいと宣伝をしている商品がたくさんあります.本当に意味があるのか,考察してみます.
昔は食品の効能表示は一律に禁止されていたのですが,科学的に効能が示されている食品が効能表示をするのはよいだろうという考えのもと,健康増進法と食品衛生法によって,「保健機能食品」が制定されました.保健機能食品とは,栄養成分,注意喚起,一日あたりの摂取量などの表示の義務がある代わりに,健康増進との関わりの宣伝が許可されている食品です.保健機能食品は,特定保健用食品と栄養機能食品の2つに分類されます.
特定保健用食品
いわゆる「トクホ」です.身体の生理学的機能に資する特定の保健機能を持った食品のことです.消費者庁の許可を得て効能が表示されます.指定を受けたほとんどの商品にはきちんと効能があるはずですが,過去には「エコナ油」のように諸事情で指定を解除した商品もあります.
ヘルシア(脂肪を燃やす)や三ツ矢サイダープラス(食後の血糖値の上昇を抑える)などが有名です.
http://www.asahiinryo.co.jp/mitsuya-cider/sp/products/tokuho.htmlwww.asahiinryo.co.jp
みー的には,「食後の血糖値の上昇を抑える」と寿命が伸びるのか? (血糖値は所詮サロゲートエンドポイントでしかない.) といった検証がないので,あまり信用していません.
栄養機能食品
不足しがちな栄養成分の補給に資する食品です.一日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が企画水準に適合している場合に,機能表示をすることができます.特定保健用食品は商品毎に許可されるのに対し,こちらの栄養機能食品は規格基準をもとに認定されるという違いがあります.
ネイチャーメイド カルシウム・マグネシウム・亜鉛 (Ca, Mg, Znの摂取を補う)や,小林製薬 ヘム鉄 葉酸 ビタミンB12 (鉄,ビタミンB12,葉酸の摂取を補う)などが有名です.
みー的には,本当に不足している栄養素を正しく把握しないと,過剰症になる可能性があるので,注意して使わないといけないと感じています.
特別用途食品
病人,妊産婦,授乳婦,乳児,嚥下困難者などの特定の対象者に対して用意された食品です.
嚥下困難者のための水分補給ゼリーであるアイソトニックゼリーなどが有名です.
対象がある食品なので,該当しない人が使用しても意味がないので,普通の条件では使わないことがほとんどでしょう.
他のサプリメント
以上は,行政が許可しているものです.そうでないものはいわゆる健康食品であり,実際に健康によいものももちろん存在するとは思いますが,入っている成分は健康によいかもしれないがその機能を発揮するために十分な量が入っていなかったり,とりあえず売れればいいや的なものもあるようです.
参考文献
- 厚生労働省 「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」(平成25年9月改定)*1
- STEP 公衆衛生