みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

LafLabo 経過表で CTCAE Grade を明瞭に表現する

以下の経過表をご覧ください.

これは,「パクリタキセルの用量調節により治療継続が可能となった重度肝障害を伴う同時性肝転移両側乳がんの1例」という文献の,図 1 化学療法の施行日と好中球数の推移,および図 2 肝機能検査値および腫瘍マーカーの推移. をあわせたものを,LafLaboで独自に作成した経過表です.

(PTX: パクリタキセル,Pmab: ペルツズマブ,Tmab: トラスツズマブ,CTCAE: 有害事象共通用語規準)

Common Terminology Criteria for Adverse Events v5.0 (CTCAE) に定められる,好中球数減少の定義は以下のようになっています*1

  • Grade 1 < LLN-1,500/mm3
  • Grade 2 <1,500-1,000/mm3
  • Grade 3 <1,000-500/mm3
  • Grade 4 <500/mm3
  • Grade 5 なし

(LLN: (施設)基準範囲下限)

上記の文献では,CTCAEの定義を掲載しながら,実際の好中球数の検査結果をグラフにして表示していますが,好中球数を時系列でプロットして,どの範囲がどのGradeに対応するのかを長方形で示すことにより,どの時期にどのGradeだったのかが一目瞭然となります.1コース目はGrade 4の好中球数減少がみられましたが,2コース目以降はGrade 1ないしは2までで経過したことがすぐに読み取れます.

本文中に,「2 コース目からは Tmab と Pmab を PTX に上乗せして行った.なお,PTX は 50%量(40 mg/m2)へ再度減量した.」と記載があるので,これらを合わせて1コース目と2コース目以降の経過の差がよく理解できます.

この機能は,LafLabo経過表の「値・区間の表示」よりご利用いただけます.上記の経過表ならば,以下のように設定するだけです.

詳細は以下のヘルプに記載しておりますので,あわせてご覧ください.

https://web.laflabo.com/course/help/6