みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

カウプ指数の計算とBMI

カウプ指数は,身長体重から子供の肥満を評価します.

カウプ指数 = 体重[g] ÷ 身長[cm]2 * 10

15-19なら正常です.

これは身長体重から成人の肥満を評価するBMIの式と非常に似ていますが,単位が違ったり10倍したりと相違点もあります.

BMI = 体重[kg] ÷ 身長[m]2

18-25が正常で,理想は22です.

BMIの式を変形すると,カウプ指数になりますので,2つの値は常に同値となります.

小児の行動発達の要点のゴロ合わせ

小児の行動発達の評価をするには,何が何ヶ月でできるようになるかを暗記する必要があります.以下のゴロで覚えます.

あやすとニコッと笑う

2ヶ月であやすと笑う. コッ=2

サウンドの方を向く

3ヶ月で音がする方を見る.サウンド=3

首がしっかり座る

4ヶ月で首が座る.しっかり=4

ゴロゴロ寝返り

5-6ヶ月で寝返りをうつ.ゴロ=5, 6

なんとかおすわり

7ヶ月でおすわりをする.んとか=7

ハイハイ早い

8ヶ月ではいはいをする.い=8

きゅっと掴んでつかまり立ち

9ヶ月でつかまり立ちをする.きゅっ=9

一息につたい歩き

11ヶ月でつたい歩きをする.ひといき=11

一人前に一人立ち

12ヶ月でひとり立ちをする.いちにん=12

2歳で2語文

2歳で2語文(e.g. パパ来た.)を話す. これまでは単語のみ.2語=2

ちなみに,片言だが文章になる(e.g. パパ)のが12ヶ月なので,これを1語文と捉えれば,1歳で1語文と覚えやすい.

社会に参加

3歳になると社会性が出てくる.2歳までは集団で遊べないが,3歳で「ごっこ遊び」ができるようになる.さんか=3

3歳で◯,4歳で口,5歳で△

図形の模写ができる年齢.  

参考 : STEP小児科

Inspired by 医学語呂なう@med56_bot《小児科》【乳児の運動の発達の覚え方】

Apgarスコアのゴロ合わせ

Apgar (アプガー) スコアは,皮膚色心拍数刺激に対する反射筋トーヌス呼吸の5項目で分娩直後の新生児の状態を評価します.

本当はApgar先生が考えた評価法なのですが,評価項目の頭文字にもなっています.

  • A: Appearance 皮膚色
  • P: Pulse 心拍数
  • G: Grimace /gríməs/ 刺激に対する反射
  • A: Activity 筋緊張
  • R: Respiration 呼吸
0点 1点 2点
(A)皮膚の色 全身が蒼白
全身が青紫色
身体が淡紅色
四肢にチアノーゼがみられる
先端チアノーゼ
全身が淡紅色
チアノーゼがみられない
(P)心拍数 < 60 60 - 100 > 100
(G)反射 反応しない 顔をしかめる
弱く泣き出す
強く泣く
くしゃみや咳がでる
(A)筋緊張 弛緩 少しだけ四肢を動かす 活発に四肢を動かす
(R)呼吸数 呼吸しない 弱い or 不定期 強く呼吸する

それぞれが2点なので,10点満点です.

生後には,1分後と5分後のApgarスコアを判定し,x点(1分)/ y点(5分)と記載します.

この点数が高ければ高いほど元気です。大きく分類するには,以下のように表現します.

  • 0~3点 : 重症仮死
  • 4~6点 : 軽症仮死
  • 7~10点 : 正常

ゴロ合わせは,

赤ちゃん,死なないで!

です.死な(=47)

子供のバイタル

先日,とある手術を見学した時に,患者が1歳の子供で,バイタルが正常かどうかよく分からなかったので,小児のバイタルの正常値をまとめておく.

成人の脈拍の正常値は,60-100 /min.であり,血圧は 130/85 mmHg 以下が正常値とされている.

新生児(<4週) の心拍数は140 /min.とはやり成人に比べて非常に多い.これが乳児で120 /min.,幼児で100 /min.,学童で80 /min.と低下し,成人で60 /min.となる.20づつ減っていくと覚える.また,面白いことに,単位体表面積あたりの心拍出量は3L/m2^/min.で.新生児から成人までほぼ一定に保たれるそうだ.

新生児の血圧は60/40 mmHgで,年齢とともに上昇する.

新生児の呼吸数は50 /min.と成人に比べて非常に多い.これが乳児(<1歳)で40 /min.,幼児(<6歳)で30 /min.,学童(<12歳)で20 /min.と低下し,成人で18 /min.となる.10づつ減っていくと覚える.

参考: STEP小児科

パーセンタイルとは

パーセンタイルは,パーセント(%)と似ているが異なる用語であり,データを小さい順に並べた時に,初めから数えて全体のx%の値をxパーセンタイルという(0≦x≦100).

例えば,100人のクラスの生徒を背の順に並べた時,前から3人目の人は,3パーセンタイルの身長となる.また,50パーセンタイル = 中央値 である.

パーセンタイルは,身体発育曲線で赤ちゃんの身長や体重が正常かどうかを見るのに用いられる.

 

母乳を冷蔵すると細菌数は減るらしい

母乳を4℃で冷蔵すると,母乳に含まれる細菌数が減少するそうです*1

表2を見ると,母乳は-20℃で冷凍するよりも,0-4℃で冷蔵したほうが,細菌数は下がるようです.母乳に含まれるIgAの作用によって,冷蔵後26℃で数時間おいた方がより細菌数が下がるようです.

従って,母乳は凍らせずに冷蔵庫で保存するのが,細菌の繁殖を抑えるのに有効なのだそうです.

直感的に,冷凍したほうが細菌の繁殖は抑えられるのかな?と思いますが,そうではないようです.

*1:Pardou A, et al. Biol Neonate 1994;65:302–309 (DOI:10.1159/000244076) Human Milk Banking: Influence of Storage Processes and of Bacterial Contamination on Some Milk Constituents