C型慢性肝炎とは,日本の慢性肝炎のうち70%を占める疾患で,hepatitis C virus (HCV) の感染によって発症する.
感染の原因として,輸血歴や手術歴を有する例が多く,医療従事者の場合は針刺し事故によっても発症する可能性がある.
C型慢性肝炎の治療は,現在では,シメプレビル,ペグインターフェロン,リバビリンの3剤併用療法が推奨されている.
- シメプレビル(ソブリアード): HCV NS3-4Aプロテアーゼ阻害薬
- ペグインターフェロン: インターフェロンの体内持続時間を長くするためにポリエチレングリコールを付加
- リバビリン (レベトール): 複数の不明の作用機序による抗ウイルス作用
現在(2014年)は,ダクラタスビル(Daclatasvir: DCV)とアスナプレビル(Asunaprevir: ASV)の併用療法の第3相試験の3年間フォローアップが行われるそうだ.(Three-year Follow-up Study of Subjects Who Participated in a Previous Asunaprevir (BMS-650032) and/or Daclatasvir (BMS-790052) Chronic Hepatitis C Clinical Trial)
また,以下の様な記事もある.
C型慢性肝炎に対する経口薬のみによる治療薬を世界に先駆けて日本にて承認申請 ~インターフェロン及びリバビリンを必要としない新たな治療選択肢~
国内第III相試験が実施され、医療上のニーズが高いジェノタイプ(遺伝子型)1b型の患者に対して、84.7%のSVR24を達成。
SVR24とは,治療終了24週後にC型肝炎ウイルスが血液中に検出されない状態のことで,ほぼ治癒と考えられている.シメプレビル,ペグインターフェロン,リバビリンの3剤併用療法の初回治療例のSVR24は88.6%なので,ほぼ同等の成績である.副作用も少ないとのことなので,今後が期待される.(C 型慢性肝炎に対するシメプレビルを含む3剤併用療法の有効性、安全性等について)