自分の手に浮き出ている血管を見ると,青く見える.「見えている血管は静脈で,酸素が少ないために青くなるのだ」と説明する人がいるが,これは誤りである.
まず,血管が青く見えるのは錯視である(静脈錯視 北岡明佳先生のサイト[魚拓], [魚拓]).本当は灰色から肌色である.周囲の皮膚が赤みがかっているために,反対色の青が誘導されるのだそうだ.
実際の静脈は黒っぽい赤である.採血をした時の色を思い出して欲しい.しかし,皮膚の中を光が通過する時に光が散乱されて,灰色から肌色に見えるのだ.
動脈は静脈よりも赤い.酸素飽和度が高いためにより赤く見えるからである.