ショックの概念は現在では以下のように定義されている.
種々の原因により,重要臓器への有効血流量ないし酸素供給量が減少し,あるいは体内で産生された各種の液性因子の作用により,正常の細胞機能が維持できなくなり,ひいてはその細胞が形成している重要臓器の機能が障害されている状態である.
これは以下のように分類される.
- 心原性ショック
- 心筋,心臓の運動失調,不整脈に起因する
- 循環血液量減少生ショック
- 出血,体液減少(非出血)に起因する.ヘマトクリットが上昇すれば非出血性,低下すれば出血性である.
- 血管閉塞生ショック
- 静脈還流,プレロードの不足,心室の収縮力不足に起因する
- 血流量分布不均衡性ショック
- 末梢血管の過度の拡張による,敗血症,アナフィラキシー,脊髄性,内分泌異常,薬剤に起因する
ショックの分類を漏らさず挙げることが,鑑別上重要です.ゴロ合わせを先生に教えていただきました.
ショック = SHOCKE
- S: Sepsis (敗血症性)
- H: Hypovolemia (循環血流量減少性)
- O: Obstruction (心外閉鎖・拘束性)
- C: Cardiogenetic (心原性)
- K: anaphylaxis (アナフィラキシー 「キ」→K)
- E: endocrine (副腎不全,甲状腺クリーゼ)
KとEが無理やりな感じがしますが,かなり秀逸なゴロ合わせです.