みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

終末を生きる

先日,アニメ「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」を見ました.

sneakerbunko.jp

公式サイトの紹介文を引用します.

妖精兵器と呼ばれる少女たちと生き残った準勇者との儚くそして切ない物語. ... 死にゆく定めの少女妖精たちと青年教官の,儚くも輝ける日々.

滅びゆく世界の隅っこで,あとちょっとだけ生きていたいと願うちっぽけな生存者たち.

すごく簡単に要約すると,「あと数日で死んじゃうとしたら,どう生きるのか?」というテーマの作品です.

血液内科医として働いていると,いろいろな人の人生の最期に関わる機会が多いです.病気が原因で,あと数日しか生きられない,という状況の人は実際に存在します.現実は物語よりも残酷で,患者さんは病気や自分の人生,終末と向き合います.家族も傍で支えながら,患者さんの希望を叶えられるようサポートします.医師は彼らに告知をし,選択肢を提示し,方針を相談しながら,看取ります.厨二病かもしれませんが,この作品に共感するところが多かったです.

「終末を生きる」という言葉は一見矛盾しているようですが,人生には始まりと終わりがあるわけで,誰もがいつか終末を生きることになります.もちろん,終末が突然やってきて,短時間のうちに人生を終える人もいます.しかし,ある程度の長さの終末を過ごす人もいます.終末であることを受け止めて,それでも自分が幸せだと思えることをして,輝かしく命を終えることは,とても立派なことだと思います.そして,人生は有限であるからこそ,人を動かす感動の物語が生まれるのかもしれません.

みー自身,終末をどう生きるべきか,具体的な答えはありませんが,医師として,そして一人の人間として問い続けていきたいと考えています.

いつまでも一緒にいるよと誓った。
誓えたことが幸せだった。
この人のことが好きだなと思った。
思えたことが幸せだった。
幸せにしてやるよと言ってもらえた。
言ってもらえたことが幸せだった。
こんなにもたくさんの幸せをあのひとに分けてもらった。
だから、きっと、今のわたしは誰が何と言おうと、世界一幸せな女の子だ。