みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

夢と現実

みーは夜寝るときに,「あー今眠り始めているな.」という自覚をします.周囲の音声とともに過去の映像や頭の中の記憶が雑多に浮かんでは消えを繰り返す感じです.時々,この状態でアイディアを思いつきます.そして,ちゃんと眠ると夢を見ます.一晩でみる夢の数は1個から5個ぐらいで,目が覚めてからしばらくは記憶が残っています.

つまり,朝起きると,「昨晩は,あー今眠り始めているなってなって,しばらくして,夢Aと夢Bを見て,今起きたんだな」という記憶があります.

人間の睡眠について少し勉強してみたところ,これら一連の現象には名前がついていることがわかりました.

眠る時は覚醒(awakening)していて,しばらくするとNon-REM睡眠のStage 1(N1), 2(N2), 3(N3)と進んでいきます.N1の状態だと,人間は形や色,夢の一部を眼の前に自覚していますが,同時に周囲の音が聞こえます*1.通常は10分以内にN2に進み,N3に至ります.N3が最も深い眠りで,この状態ならば滅多なことがなければ覚醒しません.その後N2, N1を経てREM睡眠 (rapid-eye-movement sleep)になります.REM睡眠中は脳波が覚醒状態に類似しており,夢を見ます.その後はNon-REM睡眠をREM睡眠を繰り返し,覚醒します*2

Stages of sleep. Sleep is composed of two phases: the Rapid Eye Movement sleep (REM), which is marked by intense brain activity, and the Non-REM sleep (NREM). The NREM phase consists of four stages: Stage 1, which is the time of drowsiness or transition from being awake to falling asleep; Stage 2, the period of light sleep during which the eyes movements stop, and Stages 3 and 4, which are also called Slow Wave Sleep (SWS).

昔からN1で思いついたアイディアはとても面白いものが多かったので,覚醒できる場合は起きてメモ帳に書き留めて,覚醒できずに眠ってしまっても,後で思い出せるように記憶しておく練習をしてきました.具体的には,夢の内容を書き留める練習(いわゆる夢日記)や,覚醒後に夢のことを反復して想起する練習をしました.これにより,みーはN1とREM睡眠の時のことをよく記憶できるようになりました.

ダリやエジソンのような優れたアイディアを多数生み出した人たちの一部は,N1を意図して活用していたようです.椅子に座って手にスプーンやボールを持ち,眠ると,手から物が落ちるので刺激になり,アイディアが湧きやすくなる,という経験則が残されています*3

人間は人生の1/4以上を睡眠に費やすので,この時間をさらに活用できれば素晴らしいと思います.なるべくN1の状態を長く保持できるように練習を続けていこうと思います*4

*1:Stages of Sleep | Michigan Medicine

*2:Physiology, Sleep Stages - StatPearls - NCBI Bookshelf

*3:Sleep technique used by Salvador Dalí really works | Live Science

*4:N1の状態を体験したという夢を見ただけという可能性も排除できません.手軽に脳波が測定できたら分かりやすいのですが,自宅では難しいです.