サイトカインはたくさんの種類があって整理して覚えるのが大変なので重要なものをわかりやすくまとめてみました.
まずはサイトカインの分類:
インターロイキン(IL)
- 白血球が分泌する.
ケモカイン
- 白血球の遊走を制御する.
インターフェロン(IFN)
- 異物が侵入した際に分泌される.抗ウイルス作用が主.
造血因子 (CSF)
- 血液細胞・免疫細胞の増殖・分化を支持する.
- G-CSF, M-CSF, エリスロポエチン
細胞増殖因子
- EGF, FGF, TGFなど
細胞壊死因子 (TNF)
- 細胞死を誘導
- TNF-α, TNF-β
効果による分類:
炎症を誘導 (樹状細胞・マクロファージが分泌)
TNF-α
IL-1
- IL-6
- IL-12
- IFN-γ
炎症を抑制
IL-4
IL-10
IL-13
- いずれもTh1細胞の分化を抑制
白血球の分化・増殖 (ヘルパーT細胞が分泌)
IL-2
- T細胞の増殖
IL-4
- Th2細胞の分化
貪食細胞の活性化 (ヘルパーT細胞が分泌)
IFN-γ
- マクロファージの活性化
IL-5
- 好酸球の活性化
ヘルパーT細胞の分化に対する効果:
Th1
- IL-12によって分化しIL-2, IFN-γ, TNF-αなどを分泌
- CTL(細胞傷害性T細胞)やNK細胞による細胞性免疫を活性化
- 細胞内寄生細菌やウイルスに感染した細胞の処分
Th2
- IL-4によって分化しIL-4, IL-6, IL-5, IL-13などを分泌
- B細胞による液性免疫を活性化
- 寄生虫や細胞外の細菌を排除
Th17
- TGF-βとIL-6の2つによって分化しIL-17, IL-2, IL-6, TNF-αなどを分泌
- 炎症を誘導する.
Treg (制御性T細胞)
- TGF-βによって分化しIL-10, TGF-βなどを分泌
- 免疫反応を抑制する.
炎症を誘導するか抑制するかを考えればわかりやすい.例えば細胞性免疫を活性化するTh1細胞が分泌するIFN-γは炎症を誘導し抗ウイルス作用を示すと理解していけばよい.
免疫学としてはここに登場するサイトカインが重要である.
参考:
- Robbins Basic Pathology 8th edition
- もっとよくわかる! 免疫学
- Wikipedia 各項目