みーの医学

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2次リンパ組織(扁桃とリンパ節と脾臓とMALT)の違い

2次リンパ組織である扁桃,リンパ節,脾臓とMALTの違いをまとめました.

扁桃

扁桃は咽頭の2次リンパ組織の集合である免疫器官です.5,6歳が最も大きく,思春期までに退化します.子供の免疫力の一部を担っていると考えられています.扁桃腺切除手術などがある通り,切除してもあまり問題がないとされています.

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(1:舌, 2:口蓋扁桃, 3:口蓋垂,4:口蓋)

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入口が陰窩である点が特徴です.

リンパ節

抗原提示細胞に捕捉された抗原が,輸入リンパ管から入って,T細胞に提示される場所です.

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入口も出口もリンパ管です.

脾臓

血行性に運ばれる抗原に反応する,免疫応答の場所です.

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入口も出口も血管です.

粘膜関連リンパ組織 (MALT)

粘膜から侵入する抗原に対して免疫応答し,腔内にIgAを分泌する場所です.

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入口は粘膜です.

まとめ

器官 入口 出口 標的
扁桃 陰窩 輸出リンパ管 咽頭の病原体
リンパ節 輸入リンパ管 輸出リンパ管 抗原提示細胞の提示する抗原
脾臓 脾動脈 脾静脈 血行性の病原体
MALT 粘膜面 輸出リンパ管 管腔から侵入する病原体

いろいろな場所の抗原に応答するために複数の種類の2次リンパ組織が存在するわけです.