脊髄神経根から伸びている感覚神経が支配する領域のことをデルマトーム(Dermatome)といいます.感覚障害を診察するときに,皮膚のどの領域が何番目の脊髄神経根に対応するのかを理解することで,障害されている脊髄レベルを推定することができます.
また,脊椎麻酔の際に麻酔レベルを確認する時にもこの知識が必要です.温痛覚の境界が臍の辺りならば,上級医に「麻酔レベルはTh10です」と言えば,優秀な研修医と思われるので,研修医になってからも役に立つ知識です(2017.7.17 追記).
デルマトームの図は教科書に掲載されていますが,あれをすべて覚えるのは無理ですし,診察でささっと使える知識ではありません.代表的な部位を押さえておくのがよいので,覚えるための図を作ってみました.
右の図とともに,以下を暗記します.
- 後頭部がC2
- 母指がC6 (親指で6の形を作って覚える)
- 中指がC7
- 乳頭がTh4
- 剣状突起がTh6,7 (胸=6ね)
- 臍がTh10
- 鼠径部がL1
- 膝がL3
- 母指がL5
- 肛門がS5
ちなみに剣状突起は,胸骨の下端に突出する突起のことで,みぞおちのことです.みーはこのイメージで暗記しました.
これのゴロ合わせも考えてみましたが,あまりよいものではないので,参考にならないかもしれませんが,ここにメモしておきます.
頭にハム.入試泣かない.建武の採点.楚人の悲惨な母語は口語.
頭(後頭部)に(2)ハ(母)ム(6).入(乳)試(4)泣か(中)な(7)い.建(剣)武(6)の採(臍)点(10).楚(鼠)人(1)の悲(膝)惨(3)な母(母)語(5)は口(肛)語(5).
親指と小指のデルマトームですが,親指の方が先です.手では親指がC6で小指がC8ですし,足では親指がL5で小指がS1になります.
参考:病気がみえる 神経