チアノーゼは,皮膚や粘膜が暗紫色になることで,血中の還元ヘモグロビンの増加によって発生する.
発生するのは,
毛細血管中の還元型ヘモグロビンが5 g/dL以上
の時である.注意するのは,還元型ヘモグロビンの割合ではなく,濃度であるということである.例えば,Hb が 5 g/dL の貧血の患者さんの場合,全ヘモグロビンに占める還元型ヘモグロビンの割合が100%になってやっと上記基準を満たす.したがって貧血や大量出血患者ではチアノーゼは起きにくく,逆に多血症でよく見られる現象だということを理解する.
チアノーゼは2つに分類される.
- 中心性チアノーゼ: SaO2の低下によるもので,右→左シャントや肺動静脈瘻,メトヘモグロビン血症が代表的.
- 末梢性チアノーゼ: 末梢循環障害による局所的なSaO2の低下によるもので,Raynaud症状や心不全による心拍出量低下によって起きる.