みーの医学

2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboの開発者です.

在宅医療 往診と訪問診療の違い

往診も訪問診療も,医師が患者さんの家まで診察に行くことですが,以下の点で異なります.

  • 往診 : 患者や家族の求めに応じて,臨時に診察・治療に行くこと
  • 訪問診療 : 定期的に診察に行くこと.

2つとも在宅医療に関係する用語です.詳しく解説します.

在宅医療

在宅医療とは,以下のように定義されており,入院で行うような医療を自宅で行うことです.

在宅医療とは,継続的な医療を必要とする患者に対し、入院時に医師の持つ責任と同じ責任のもとで、自宅等の『医療提供施設』外において行われる、専門的・総合的技術を内容とする医療 *1

慢性疾患で継続的な医療を入院で行うと,長期間化し,QOLが低下してしまいます.そこで,住み慣れた家庭や地域社会で入院と同等の医療を受けられるようにすることで,QOLを向上させることができます.

医療者にとって,病院は医療を提供するのに非常に適した環境ですが,一般の家ではそういうわけにはいきません.そこで,在宅医療を実施するための5つの条件が存在します.

  • 患者が在宅での治療を希望していること
  • 患者の病状が安定していること
  • 家庭に適切な介護者がいること
  • 在宅での訪問診療,訪問看護受けられること
  • 緊急時の受け入れ病院が確保されていること

以上を満たすために,在宅医療のかかりつけ医は,定期的に診察をしに行き(=訪問診療),急変時に備えて受け入れ病院を確保します.

訪問看護

在宅医療での看護を担うのが,訪問看護ですかかりつけ医の指示を受けて,看護師や保健師が訪問し看護や指導を行います.

このシステムを支えるのが,訪問看護ステーションです.

覚え方

往診も訪問診療も,伺って診察する,という情報しか言葉に含まれていないので,以下のように覚えるのがよいのではないかと思います.

往診は,「おーい,しんどいので来てくれ」ということ.

訪問診療は,「ほかの問題ある?」と医師が聞きに来てくれること.