Vogt-小柳-原田病は,名前がチャンポンなので印象に残りやすいですが,実際の症状が多彩なので覚えにくいです.まとめました.
浦島太郎は原田病
浦島太郎は実は原田病だったのではないか,という説があります.
■はじめに
フォークト―小柳―原田病(以下、原田病)は、急に両眼に網膜剥離が生じて見えにくくなる疾患です。目の病気と思われがちですが、同時に髄膜炎、難聴が生じ、しばらく経過した後に皮膚の白斑、白髪、脱毛などが生じる全身の病気です。昔話の浦島太郎は原田病だったといわれています。亀を助けて海中の竜宮城へ行き(目の見え方がおかしくなる)、宴に興じ(髄膜炎の症状)、帰ってきて(視力の回復)玉手箱を開けると白髪のおじいさんになる(皮膚の白斑、脱毛、白髪の症状)というお話は、まさに原田病ではないでしょうか。*1
みんなが知っている浦島太郎で,原田病の症状を整理してみます.
歌詞
むかしむかし浦島は 助けた亀に連れられて 龍宮城へ来て見れば 絵にもかけない美しさ
乙姫様のごちそうに 鯛やひらめの舞踊り ただ珍しく面白く 月日のたつのも夢のうち
遊びにあきて気がついて おいとまごいも そこそこに 帰る途中の楽しみは みやげにもらった玉手箱
帰って見れば こはいかに 元居た家も村も無く みちに行きあう人々は 顔も知らない者ばかり
心細さに蓋取れば あけて悔しき玉手箱 中からぱっと白けむり たちまち太郎はおじいさん *2
対応
竜宮城へ来てみれば
意識がもうろうとして目の見え方がおかしい.
→ 耳鳴りや感音難聴と同時に急激な視力障害を来す.網膜剥離や肉芽腫性虹彩毛様体炎が特徴.
乙姫様のごちそうに 鯛やひらめの舞踊り
頭の中が大変なことになっている.
→ 感冒様症状,髄膜炎症状が先行する.
帰って見れば こはいかに
症状が収まった.
→ 回復する.夕焼け状眼底が特徴.
中からぱっと白けむりたちまち太郎はおじいさん
髪の毛や皮膚が白くなる.
→ 皮膚白斑,脱毛,白髪が特徴.
浦島太郎が本当に原田病だったのかは分かりませんが,覚え方としては非常に面白いです.