細菌性髄膜炎の起炎菌は年齢ごとに異なります.理解の仕方を整理しました.
考え方
生まれる時は膣常在菌に暴露される
分娩時に,膣の常在菌に暴露されることで髄膜炎を起こします.したがって,膣常在菌であるB群溶連菌や大腸菌が主な起炎菌になります.
乳児期は免疫が最も未熟なので,細菌性髄膜炎の発症率が高いです.
正常な免疫があるときは肺炎球菌とインフルエンザ桿菌
細菌性髄膜炎の発症率はかなり下がります.髄膜炎を起こすとすれば,感染力が強い肺炎球菌とインフルエンザ桿菌ぐらいです.
高齢で免疫が低下する
高齢になると,免疫力が低下するために,乳児期に見られるようなB群溶連菌なども髄膜炎を起こします.
髄膜炎菌は名前負け
髄膜炎菌は,名前に髄膜炎という文字が入っているので,髄膜炎を起こすと思ってしまいますが,頻度はとても低いです.名前負けしてますね.
ゴロ合わせ
不安になったら,
赤ちゃんは,Babyだい.大人の敗因は髄膜炎.
赤ちゃん(乳児)は,Baby(B群)だい(大腸菌). 大人(成人)の敗(肺炎球菌)因(インフルエンザ桿菌)は髄膜炎.
と覚えておけばよいと思います.
*1:細菌性髄膜炎診療ガイドライン 2014 - 日本神経感染症学会 より引用