110回医師国家試験が本日終了しました.みー的には思うところはたくさんありますが,合格が決まってから改めて記事にしようと思っています.
「みーの医学」では,たくさんのゴロ合わせを解説文と共にまとめてきました.もちろん,みー自身もこれらのゴロ合わせで記憶しています.医師国家試験におけるゴロ合わせの有用性を本番で実感できたので,報告します.
対象読者
みーは丸暗記が苦手です.みーと同じように医学知識の膨大さと丸暗記の大変さに辟易としている人にむけたメッセージです.暗記する方法を紹介しているのですから,「こんなの暗記するだけやん!」というツッコミはしないでくださいね.
試験で役立つのは確実な知識
医師国家試験は5つの選択肢からいくつかの正答を選択するマークシート形式です.すべての選択肢の正答を確実に判断できるのが理想ですが,そんなことはごく一部の人を除いて不可能です.したがって,次善策として消去法などいろいろなテクニックを使って正答を絞り込んでいくわけですが,この作業に最も役に立つのは,絶対に正しいor誤っていると言い切れる知識です.中途半端な知識は迷いのもとです.
特に数字丸暗記,記号丸暗記,順番丸暗記は,イメージで覚えると混乱しがちなので,「試験中せん妄」のリスク因子です.これらは確実な知識とするべきです.
ゴロは心のよりどころ
110I-79を見てください.(以下,問題文はiCripを参照してください.)
口腔内有痛性潰瘍,多発関節痛,前房蓄膿,陰部潰瘍,というキーワードが並んでいるので,ベーチェット病であると診断できます.ベーチェット病に見られる症状を3つ選択する問題ですが,本番の緊張感の中で,自信を持って答えられますか?
- 耳下腺腫脹
- 針反応陽性
- 血栓性静脈炎
- HLA-B51陽性
- 両側肺門リンパ節腫脹
特に,ベーチェット病はHLA-B51陽性だと断言できますか???
あれ?HLA-B54だっけ?それはナルコレプシーか.いや違う,びまん性汎細気管支炎だっけ?んー.あれ?いや,マジで自信なくなってきた....
こうなってしまっては正答は難しいです.針反応陽性,血栓性静脈炎は正しいけど,HLA-B51は違う気がする,と考えると,耳下腺腫脹と両側肺門リンパ節腫脹が残ります.両側肺門リンパ節腫脹といえばサルコイドーシスなので却下して,耳下腺腫脹ってあったかなー?あったような...なかったような...えい!まあいいや.
これでは得点できません.しかし,以下のゴロ合わせを知っていれば正答できます.
長いゴロ合わせではありますが,一度覚えてしまえば,多くの人が苦手とするHLAの問題を一瞬で得点源にすることができます.
みーは「ベッドに来い = B-51」で,本番で自信を持って答えることができました.
(みーの答案)
(ベーチェット病では耳下腺腫脹は見られない!と断言することは不可能でしたが...)
このように,試験においては,「絶対に正しい知識」をできるだけ多く持つことが,心を落ち着かせるのに重要なのです.
110回医師国家試験のゴロ一発問題
「みーの医学」に掲載しているゴロ合わせ一発で回答できる問題を列挙します.
110G-7 不活化ワクチンはどれ?
不活化ワクチンは,日本脳炎ワクチン.
生ビールとメロンムース
110G-23 男性部位別がんの年齢調整死亡率の対応は?
大きい順番に,肺, 胃,大腸,肝臓,膵臓なので,図の凡例の年齢調整死亡率の大小を考慮して回答できます.
はーい,大きめが好き.
これらの問題は,知識があれば確実に正答できるので,失点すると非常にもったいないです.
ちなみに,「みーの医学」に掲載しているゴロを利用してうまく知識を運用すれば回答可能は問題は20問ほどありました.4%は少なく見えるかもしれませんが,確実に正しいと言い切れる問題が4%できるわけですから,精神的には非常に楽になりました.
以上,ゴロ合わせの宣伝でした.とりあえず国家試験が終わってホッとしています.