統合失調症の名前の由来を辿るとたくさんの委員会が存在したようです.
1993年に「財団法人全国精神障害者家族会連合会」が「日本精神神経学会」宛に,精神分裂病という病名や不利益を招きやすいので病名を変更してほしいとの要望を行った.家族会の要望に応じて,日本精神神経学会では「疾患概念と用語に関する委員会」を設け,その中にとりわけ緊急性が高い分裂病に対して,「精神分裂病の呼称を検討する委員会」を設けて検討を開始した.(中略) 検討の結果,「精神分裂病に対する新呼称に関する委員会」を設け,変更する場合の新呼称について会員から意見を集めた.(中略) 検討の結果,統合失調症が有意に多い支持を得た.(中略) これらの経過に基いて,日本精神神経学会は「評議委員会」,その後「総会」で精神分裂病という病名を統合失調症に変更することを決定し,関係各方面に「統合失調症」を使用することを要望した.*1
登場する委員会を列挙すると,
- 疾患概念と用語に関する委員会
- 精神分裂病の呼称を検討する委員会
- 精神分裂病に対する新呼称に関する委員会
- 評議委員会
- 総会
検討に検討を重ねて統合失調症と名前をつけたことがよく分かりました.
*1:現代臨床神経医学 p.328 より引用.強調や中略など一部改変あり