みーは血液内科医 (みーの医学)

2016年3月に110回医師国家試験に合格し,初期研修を終え,現在は血液内科医として働いています.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboを開発しています.

正しく内服するのは難しい

処方箋にはいろいろな指示があります.「毎食後に1錠づつ内服」「朝食後に1錠内服」などが一般的です.食事の後に薬があるのは生活習慣としても馴染みやすいです.

食後ではいけない薬も存在します.例えばビラノアは抗アレルギー薬ですが,1日1回空腹時に1錠内服します(ビラノア 添付文書).みーもビラノアを試しましたが,「ビラノア飲む前にご飯食べちゃった」ということが頻発して,1日2回食後内服でよいアレグラに戻したことがあります.空腹時に内服するのは生活習慣に馴染まず難しいです.

毎日飲まない薬も存在します.例えば,腎機能が低下している患者さんがバクタを服用する場合は,月水金に1錠づつ内服します*1.毎日,「今日は何曜日だっけ?バクタは飲む日かな,飲まない日かな」と判断するのは難しいです.

内服の間隔を変更する時に,日付指定にするか曜日指定にするかは悩ましい問題です.単に「隔日投与」とだけ記載すると,「4日前に処方された隔日投与の薬を4日前に飲みましたが,2日前に飲み忘れたので昨日飲みましたが今日は飲んだほうがよいですか?」という質問が出てくるのでややこしいです.日付指定の場合,「奇数日に内服」と記載すると,例えば8/31と9/1に連続で内服することになるため避けるべきです.偶数日が連続することはあり得ないため「偶数日に内服」と記載する方が少し安全だと思います.

維持透析を10年以上していて,すでに薬を10種類内服している患者さんが悪性リンパ腫を発症しました.リンパ腫治療のための薬を追加した*2ところ15種類の処方になり,透析用に用量調整したところ隔日投与の薬が多くなりました.あまりにも複雑な処方のため,看護師ですら正しく薬をセットできていないことが発覚しました.

これらの問題をどうにかするために,一包化という手段があります.袋に内服するタイミングが記載されており,間違いが減るのでよいと思います.ただし,「錠剤だけにまとめられたらなんの薬を飲んでいるのか分からないし,中身を落とした時になんの薬が飲めていないのかが分からないので止めてほしい」というご意見をいただいたこともあります.

「内服をしてください」と患者さんに注意するのは簡単ですが,継続可能なシンプルな処方を心がけたいです.

*1:0.5錠を毎日内服するなど他の減量方法もあります

*2:バクタやフェブリクなど