みーは血液内科医 (みーの医学)

2016年3月に110回医師国家試験に合格し,初期研修を終え,現在は血液内科医として働いています.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboを開発しています.

STEP産婦人科の序文にツッコむ

STEP産婦人科の序文は以下のように記載されている.

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医師総数と産科医の総数の変化のグラフが示されている.グラフを拡大する.

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これだけ見ると,序文にあるように「医師総数が増えているのに産科医数は減っている!」 という結論になりそうだが,縦軸をよく見てほしい.医師総数は0-300000の範囲なのに,産科医の総数は10500-14500の範囲である.1976年から2002年の変化を計算してみると,医師数は2倍に対して産科医の総数は0.9倍である.変化の割合を考えると,医師数は増えているが産科医数は「横ばい or 少し低下」しているという結論が正しいはずである.

さらに,序文の結論は「今産科医を目指せば繁盛すること間違いなしである」となっているが,この結論に必要なのは上記のグラフではなく,次の文章「このグラフは合計特殊出生率の低下よりも急激な右肩下がりになっている」という事実なので,むしろ合計特殊出生率の変化のグラフを提示して,産科医数の変化と比較するほうがよいだろう.少子化は進行しているけどそれ以上に産科医の数は減っているので,産科医一人あたりの扱う件数は増えるから儲かりますよ,と説明できる.

STEP産婦人科は参考書としてはとてもいいのだが,序文が残念だと思ったみーでした.