みーの医学

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死亡診断書と死体検案書の書き方 まとめ

死亡診断書(死体検案書)は,人間の死亡を医学的・法律的に証明するものであり,医師法第 19 条第2項(応招義務等)に,交付が医師の義務であることが示されています.

医師法第 19 条第2項

診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。

死亡診断書と死体検案書の使い分け

使い分けは簡単です.診療継続中の患者が診療に係る傷病と関連する原因により死亡したら死亡診断書をそれ以外の場合は死体検案書を交付します.

受診後 24 時間以内に死亡診断書の条件を満たす場合,死後診察せずに死亡診断書を交付できますが,あくまで緊急の場合であって,本当に死亡しているのかなどを自分の目で確認するべきです.

警察署への届出

検案して異状があれば、24時間以内に所轄警察署に届け出ます.上記の使い分けとごっちゃにしないように注意します.

医師法第21条

医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない

死因の書き方

これも原則は簡単です.死の病態を引き起こしうる原因疾患の中で,医学的に確定できる最も根本となる原因疾患が死因です.

(例) 80歳女性.

浴槽のお湯の中で亡くなっていた → (4)溺死

肝硬変による肝性脳症で意識障害があり,浴槽のお湯の中で亡くなっていた. → (1)病死及び自然死 死因:(ア)意識障害,(イ)肝性脳症,(ウ)肝硬変

C型肝炎に罹患していて,肝不全が進行していた場合.→ (1)病死及び自然死 死因:(ア)<意識障害,(イ)<肝性脳症,(ウ)肝硬変,(エ)C型肝炎

このように,どれだけ原因疾患を辿れるかで死因が大きく変わります.溺死と肝疾患と感染症では大きく異なりますね.

以上のことは,以下のサイトに詳しいです.

www.mhlw.go.jp