みーは血液内科医 (みーの医学)

2016年3月に110回医師国家試験に合格し,初期研修を終え,現在は血液内科医として働いています.医療従事者のためのWebサービスであるLafLaboを開発しています.

褥瘡のDESIGNについて

褥瘡の治癒過程を評価するためのツールとして,日本褥瘡学会はDESIGN®を提唱しています*1

DESIGNはDepth(深さ),Exudate(滲出液),Size(大きさ),Inflammation/Infection(炎症/感染),Granulation tissue(肉芽組織),Necrotic tissue(壊死組織)の6つの評価項目の頭文字を並べたもので,非常に覚えやすいです.各項目が該当するかで,大文字と小文字を使い分けます.例えば「DesIgN」などと表記します.

また,DESIGN-R®はDESIGNと同じ評価項目をスコア化することで,0点から66点までで重症度を評価するツールです.Rはratingの頭文字です.DESIGNを点数化(Rating)しました,ということです.

ここまでは非常に分かりやすいですが,これ以降はモヤモヤします.

DESIGNの7番目の評価項目にPocket(ポケット)があります.ポケットが存在しない場合は何も書かず,存在する場合のみDESIGNの後に-Pと記述します.DESIGNのどこにもPはありませんが,Pを評価するようです.初学者にはDESIGN-RのRがPocketのことかと類推しそうになります*2が,全く関係がありません.PやPocket,Rはratingです.Pの存在が,わかりやすさを台無しにしているように感じます.

先日,みーの指導医に「xxxさんの褥瘡はDESIGN-Rでyy点と下がっています.よい経過です.」と報告したところ,「DESIGN-Rは使わないねー.皮膚を見たらよくなっているか分かるじゃん」という身も蓋もないお言葉をいただきました.医者はあまり使わないよう*3です.ただし,入院基本料の施設基準の1つである褥瘡対策のために,看護師の褥瘡評価で活用されています.実際,褥瘡は見た目が重要なのだと思いますし,見た目を誰でも評価できるようにしたことがDESIGNの優れた点なのだと思います.

DESING, DESIGN-Rは商標登録されているようで,J-PlatPatで検索すると,

  • 登録5552332 DESIGN-R
  • 登録5552333 DESIGN

が登録されています.出願日は両方とも2012年6月22日になっています.DESIGNは初版が2002年,DESIGN-Rは2008年に発表されているので,当初から商標を活用していたわけではなさそうです.

なお,DESING-Rの評価方法は,以下のサイトが分かりやすいです.

www.almediaweb.jp

*1:日本褥瘡学会 DESIGN® http://www.jspu.org/jpn/info/design.html

*2:少なくともみーはRはPocketに関係するのかと最初に思いましたし,みーの同期も同様の勘違いをしていました.

*3:少なくともみーの病院の医師でDESIGN-Rを活用している人はいないです.