みーの医学

医学生の「みー」が,医学に関してまとめています. 2016年3月に110回医師国家試験に合格しました.

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自己免疫性肝胆疾患の抗体のゴロ合わせ

自己免疫性肝胆疾患はややこしいのでまとめました.

各疾患の特徴

自己免疫性肝炎は,肝細胞に対する過剰な免疫応答が原因で,慢性肝炎を来します.

原発性胆汁性肝硬変は,グリソン鞘において胆管に炎症が起こる疾患で,一見すると閉塞性黄疸だけど胆管の拡大がないのが特徴.肝硬変という名前の割には,肝硬変になるのは末期だけ.

抗体のゴロ合わせ

自己免疫性肝胆疾患の抗体を覚えるためのゴロ合わせです.

疾患 抗体
自己免疫性肝炎 抗核抗体,抗平滑筋抗体 (IgG)
原発性胆汁性肝硬変 抗ミトコンドリア抗体 (IgM)
原発性硬化性胆管炎 P-ANCA
事故か?直ちに隔壁閉鎖!
短時間見て,アンカーへ降下せよ!

事故か(自己免疫性炎)?直ちに(直接ビリルビン優位)隔(抗抗体)壁(抗平滑筋抗体)閉鎖! 短時間(原発性胆汁硬変)見て(抗ミトコンドリア抗体),アンカー(P-ANCA)へ降下せ(原発性硬化性胆管炎)よ!

エヴァンゲリオン(アニメ)で,施設内で突如アラームが鳴り,「事故か?直ちに隔壁閉鎖!短時間(様子を)見て,(全員)アンカーへ降下せよ!」と指示を飛ばしている様子をイメージしたらよいと思います.

抗平滑筋抗体はIgGで,抗ミトコンドリア抗体はIgMですが,トコンドリアのMで覚えられます・

これで以下の問題が瞬殺です.

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48歳の女性.昨年と今年の健康診断にて肝機能障害を指摘されて来院した.発熱と腹痛とはない.飲酒歴はない.常用している薬剤や栄養機能食品はない.身長159cm,体重49kg.体温36.4℃.脈拍60/分.血圧110/62mmHg.眼球結膜に黄染を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.血液所見:赤血球432万,Hb 14.0g/dL,Ht 40%,白血球3,500,血小板18万.血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL,アルブミン4.0g/dL,総ビリルビン0.6mg/dL,AST 101IU/L,ALT 89IU/L,γ-GTP 51IU/L(基準8~50),ALP 298IU/L(基準115~359),IgG 2,710mg/dL(基準960~1,960),IgM 99mg/dL(基準65~350).免疫血清学所見:HBs抗原(-),HBs抗体(-),HBc抗体(-),HCV抗体(-).
診断に最も有用なのはどれか.
a 抗DNA抗体
b 抗平滑筋抗体
c 抗カルジオリピン抗体
d 抗ミトコンドリア抗体
e 抗甲状腺ペルオキシダーゼ〈TPO〉抗体

IgG上昇,ビリルビン・胆道系酵素正常,ウイルス性肝硬変は否定的なので,自己免疫性肝炎が考えられます.「事故か?直ちに隔壁閉鎖!」なので,壁→抗平滑筋抗体となり,答えはbとなります.